衛星軌道上の放射化バックグラウンド

小高助教を筆頭著者とする論文
“Modeling of proton-induced radioactivation background in hard X-ray telescopes: Geant4-based simulation and its demonstration by Hitomi’s measurement in a low Earth orbit”
が、Nuclear Instruments and Methods Aから出版されました。
arXiv: https://arxiv.org/abs/1804.00827
ADS: http://adsabs.harvard.edu/abs/2018NIMPA.891…92O

宇宙硬X線の観測は、大気による吸収を避けるために衛星軌道上で行われます。そのため、宇宙線や地磁気に束縛された粒子によって検出器そのものが放射化することによるバックグラウンドが大きな問題になります。小高らは軌道上放射化バックグラウンドの効率的なシミュレーションの汎用フレームワークを構築しました。これを「ひとみ」衛星の硬X線撮像検出器のデータに適用し、シミュレーションと実測バックグラウンドデータの間に非常に良い一致を得ることができました。この新たに開発されたシミュレーション技術は、将来の硬X線ミッションの設計とサイエンスの検討において不可欠となります。
(この成果は、主に小高がスタンフォード大学に所属していた時の仕事をもとにしています。)